運命のドラフト会議

昔、うちの事務所に入った物好きな新人弁護士に、

「うちに入るということは、ドラフト1位じゃなく育成選手だということを忘れないように」

と宣告したらしい私だけに、ドラフトの季節には燃えるものを感じます。弁護士業界の採用方法は、明らかにNPB方式ではなくJリーグ方式なわけで、制度上、年俸が圧倒的に低く制限されている育成選手と違い、うちの事務所に在籍しながら大手事務所の弁護士以上に稼ぐ可能性が留保されることからすると、

「うちに入るということは、鹿島や浦和ではなくファジアーノだということを忘れないように」

という方が聞こえもよければ実際にも近いはずなのですが、世代的な限界で、発想が基本的に野球寄りなのは仕方ありません。

ところで、もし弁護士業界にドラフト会議が導入される場合、どのようなシステムになるのでしょうか。

さすがに所属する単位会くらいは本人たちに選ばせてあげるべきだと思うのですが、そこで岡山を選択した修習生たちは、ドラフト会議の指名結果に基づいて入る事務所が決まる・・・という制度には、言い知れぬ魅力とロマンを感じます。

ただ、NPBではいわゆる金欠球団でも1位指名選手に対して契約金1億円以上を支払う慣行が確立していますが、弁護士たちはそうはいかないことからすれば、せめて順位に比例する金銭面での制約をつけ、「1位・・・年間600万円以上」「2位・・・年間480万円以上」「3位・・・(以下略)」「育成・・・最低条件なし」といったルールのもと、零細事務所は1位からでなくとも入札開始を認めるといった程度の修正は加えることになるのでしょう。

「第1回選択希望修習生 〇〇綜合 A山B男」

「キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!」

「育成選択希望修習生 あおぞら C川D太」

「え~っ???。・゚・(ノД`)・゚・。」

果たして、このような弁護士ドラフト制度のもとでは、新人たちの運命はどのように変わっていくのでしょうか。意中の事務所に上位指名されてガッツポーズしたり、零細事務所の強行指名におびえながら大手事務所の指名を待ったり、高年俸の順位で指名がなく、指名対象が下位に移っていくにつれて焦りの表情が浮かんでいたりする修習生たちを想像すると、わくわくする胸の高まりを抑えきれません。その一方で、提唱された当時は評判が非常に悪く、読売新聞以外からはまともに取り上げられることすらなかった「ドラフト会議は職業選択の自由を排除する憲法違反」という論への法曹界での支持は、おそらく相当に高まったことでしょう。

NPBのドラフト会議の制度が昔とは変わり、指名対象がプロ志望届を提出した選手だけに限られたことで、どこかの球団が隠し玉として私を指名する可能性がなくなってしまったため、私の妄想はそんな方向へと向かうのでした。

NHK版「八つ墓村」感想

NHK版八つ墓村を視聴しました。金田一耕助シリーズの中で、知名度が高いことと並んで「映像化の時に改変が多い」ことでも有名な作品なので、2時間という時間的制約もあって不安がありましたが、CMがないのは大きな強みか、原作の骨格は基本的に配置されており、ヒロインなのに映像版では基本的に存在自体カットされる典子もちゃんと登場していました。

「八つ墓村」の原作に対するツッコミとして、実は「原作通りだと、実は真犯人の動機は成立しない」点があります。原作で事件が起こるのは昭和23年ですが、同年1月1日に施行された民法によると、当主の死亡時、遺言等の特殊事情がないのであれば、いとこが全財産を相続するという可能性は封じられているためです。事件当時の多治見家当主は久弥なので、久弥とそのきょうだいたちが全滅した時点で遺産は国庫帰属ではないか。。。という視点は、法律屋にはどうしても気にかかる致命的な欠陥と言わなければなりません。歴代「八つ墓村」の動機が怨霊の祟りになったり、事件直後に関係者が天変地異で全滅したり・・・という改変の対象となっているのも、これを回避したかったのかと思うのですが、今回は事件を1年さかのぼらせて、明治民法下の昭和22年にすることで、問題回避。調べてみると、旧民法ならアリですね。

もっとも、この作品の評価は、基本的に真犯人である森美也子の魅力?に大きく左右されるのですが、希代の悪女として真木よう子は大いにアリ。ああ見えても、彼女は、想い人に莫大な遺産を相続させるため、相続人+カムフラージュのための無関係な被害者たちを殺していくという、金田一物には珍しい合理派・純愛派です。しかるに、映像化の際にはやたら主人公格の辰弥と恋愛関係に陥らせられるのですが、今回のNHK版では「辰弥の恋心を利用し、掌の上で操っている」感を出すことに成功していました。そうだよ!彼女は慎太郎への愛の戦士(注・読みはバーサーカー)なんだよ!

「八つ墓村」を象徴する多治見要蔵については、悲劇の始まりとなる犯罪が「父は、恋をしたのです」の一言で語られているとか(憤怒派の極致!)、最大の見せ場の32人殺しが、撮影の都合でしょうが、夕方になっており、頭に懐中電灯つける必要がないとか、ツッコミどころも少なくないのですが、そのツッコミも含めて楽しむのが金田一ファンの作法だったりします。

次回は「悪魔の手毬唄」。「獄門島」と並ぶ至高の名作だけに、要注目です。・・・フジとバッティング?フジ版、何それ?

 

漫画的に見るラグビーW杯決勝トーナメント

日本ベスト8進出キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!

ちなみに、ラグビーW杯の歴史上、「ティア1」と呼ばれる伝統国10ヶ国以外の国がベスト8に進出するのは、6回目くらいだそうです。それほどに「番狂わせ」が起こりにくいスポーツであるラグビーですが、勝ち進んだ場合のストーリー性は、前回大会で足元をすくわれた復讐に燃える南アフリカ、前回大会で日本を指揮したエディー・ジョーンズHCという師匠率いるイングランド、絶対的王者ホセ・メンドーサオールブラックスとかは分かるものの、その他は何がなんだかよく分からないけどとにかくすごい敵ばかり・・・という漫画的なところがてんこもりなだけに、少しでも長く妄想の世界を楽しみたいものです。

そういえば、サッカーも昔はアジア最終予選が熱かったなあ・・・。あれも進出全チーム(日本・韓国・北朝鮮・サウジ・イラク・イラン)の総当たりとか、突如立ちはだかる中央アジアの強豪とかの漫画的世界でした。

また正義が勝った!

当然のこととはいえ、巨人がクライマックスシリーズを危なげなく制して日本シリーズへ。相手が阪神に決まった時から既定路線だったとはいえ、勝つべき試合をきっちり勝ちきることができるのは一流の証です。

それにしても、巨人とホークスとの日本シリーズは2000年のON対決以来だ・・・と思ったら、当時は「ダイエー」ホークスだったため、2005年に経営主体が代わった「ソフトバンク」ホークスとの日本シリーズは初めてになるんですね。2005年以降、巨人は6回(今年は除く)、ホークスは5回リーグ優勝しているわけですが、巡り合わせとは難しいものです。

金田一の季節。

今日はNHK「八つ墓村」の放映日です。

NHKの金田一シリーズは、しょっぱなから至高の名作「獄門島」をブチ込んだにもかかわらず、ヤマ場で物語の特色と味わいを全く理解しない大改変を行って大不評を買った影響か、主役が1作限りで降板して(長谷川博己のせいではなく脚本のせいなんだけど・・・)吉岡秀隆が引き継いでいるという問題作です。

ちなみに、12月にはフジが昨年に続いて加藤シゲアキ主演で「悪魔の手毬唄」をやるそうです。「悪魔の手毬唄」といえば、「獄門島」と並ぶ金田一の傑作・・・なのですが、昨年の「犬神家の一族」のクオリティからすると・・・orz

・・・などとぶつくさ言いながら、結局新作が制作されるたびに、つい全部見てしまうのはファン心理の悲しいところです。もともと殺人防御率(真犯人の計画する殺人を何件阻止できたか、という謎統計)の悪さが指摘される金田一耕助ですが、果たして今度こそ真犯人の計画を阻止することができるのでしょうか???

ちなみに、「八つ墓村」の舞台モデルは新見市+真庭市周辺、「悪魔の手毬唄」の舞台モデルは美作市東部と言われています。以前、なぜか吹屋ふるさと村をのぞいた際、撮影本番ではなかったものの、明らかにその準備部隊と思われるスタッフたちがうろうろしていた場に行きあわせたのですが、舞台が島となる「獄門島」を除く金田一「岡山もの」はかなりの確率で吹屋ふるさと村周辺が撮影場所に含まれるので、もしかするとどちらかではなかったか、と注目することにします。

女神様は告られたい??携帯電話編~あとがき~

常にストレートでインハイを衝くことに定評がある私ではありますが、さすがに大河連載「女神様は告られたい??携帯電話編」の連載中は、けっこうびくびくものの毎日が続いていました。

かつて風紀案件で疑念を招いたある会員(単なる誤解・・・だったんだよね?)は、ある大先生から体育館の裏に呼び出され、とっちめられたという噂を聞いたことがあります。ところが、既に受任事件で対戦しているとか、委員会が同じとかの心当たりは特にないにもかかわらず、その大先生から私に電話がかかっていると事務員から告げられた時には、まさに(((((( ;゜Д゜)))))な心境だったわけです(うちの事務所の弁護士2名が、怖いけれどさわってみたい謎の生き物を見る小学生のような視線を私の席に向けていたことの意味が、ほんの少し気になります)が、用件が単なる受任案件の事実確認だった時の安堵感と言ったらもう。。。

その一方で、私と女神様の共同受任に重要な役割を果たしたと自負する某会員が、自分自身が登場しなかったことに文句を言っているという情報も入ってきています。この会員は、「笑六法」にもたびたび登場する常連ではありますが、あの案件について私の中では彼女から直接お願いされたように脳内変換されていることに気づいていない時点で、まだまだ私の妄想力に対する理解が足りません。リア充の常識で、非モテの情念を理解することは、決してできないのです。

ここを読んでいる皆さんの中に、私の過多な情念と妄想を理解できる方は滅多にいないと思いますが、笑六法とはそういう生き物であるということを十分踏まえ、私自身を救済することはおそらく不可能なので、今後私のような生き物を量産しないよう、青少年や若者の非モテに対する日常のちょっとした言動にほんの少し気を付けていただけますようお願い申し上げます。

 

女神様は告られたい??~携帯電話編その4

結局、私が女神様の携帯電話番号を手に入れたきっかけは、女神様と業務上の連絡を繰り返すうちに気づいたひとつの事実に基づく必然でした。

「私も彼女も、電話がかかってきたときには、いないことが多い」

男と女の行き違いは、「君の名は」(注・アニメではない方)以来確立しているラヴロマの定番・・・という寝言はさておき、弁護士である以上、裁判やら所外での相談やらで出かけていることが多いのは、互いに当然のことです。

そんなある時、本当に急ぎで彼女に連絡しなければいけない用件で連絡をした時、彼女は不在でした。しかも、その時の私は、直後に事務所を出て、そのまま戻れないタイミングだったのです。

・・・好 機 到 来 ?

というわけで、彼女の事務所の事務員さんに私の携帯電話番号を伝えた上で、業務上やむを得ない必要性によって至急の折り返しを依頼したところ、見慣れぬ番号からの電話が・・・

「ついにキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━! 非 通 知 じ ゃ な い !!!

というわけで、私は彼女に対して期の違いという圧力によって強要することなく、あくまでも彼女の自発的意思により、彼女の携帯電話番号を知ることができ、携帯電話番号争奪戦は、私の勝利に終わったのでした。。。

・・・ちなみに、この全4回の長期連載について、私の妄想思考や思索と、実際にとった行動を区別して抜き出してみると、妄想思考・思索と行動の質量の圧倒的な違いが分かります。思春期に何ひとつ楽しい思い出がないまま四十路を迎えた場合、不可逆的に失われている過去の輝きを求めて永遠に妄想の世界をさまよい続けるという、悲しい好例かもしれません。

 

女神様は告られたい??~携帯電話編その3

前回までの経過で勝手に悶絶していた私に転がり込んだ絶好の機会が、天命とも言うべき女神様との某事件の共同受任でした。

私と女神様・・・という組み合わせはさすがに面白かったらしく、このことを知った女帝陛下が

「一緒に〇〇まで行ったりするんですか~???」

と面白がりながら聞いてきた様子を漫画化するなら、まさに目は抜作先生、口は殺せんせーでした。彼女の元ネタ(エカチェリーナ2世ではなくマリア・テレジアです。本人の希望により、太字です)は、オーストリアに初めて秘密警察を作って何をしたかというと、市民の不倫とか売春とかの監視と取締り・・・という風紀委員長オブ風紀委員長ズだったのですが、我らが女帝陛下の場合、女神様の心配をしている様子などまったくなし。やはり本家本元には大きく劣ると言わざるを得ません。

閑話休題。こうして私は、女神様と連絡を堂々と取り合う口実・・・もとい、大義名分を得ました。

「これで堂々と女神様に携帯電話の番号を聞ける・・・!」

・・・しかし、ここまで来て、私は衝撃的な事実に気づいてしまいました。私の発想的に、彼女の携帯電話をセクハラによらず合法的に取得するには、彼女から自主的に私に対して携帯電話番号を教えてもらわないといけないわけですが、

「・・・あれ?でも、弁護士同士の仕事の連絡なんて、携帯電話使わなくても、事務所同士の連絡で済むんじゃね?」

気づいてはいけない当たり前すぎる真実は、「私は女神様の携帯電話番号に、まったく近づいていないwww」という厳しすぎる現実だったのです。

もう負けを認めて彼女に番号を聞いてしまおうか・・・という誘惑にまたしても駆られましたが、①嘲笑と憐れみの入り混じった声、手を顎にあて、首をやや左に傾げ、薄笑いを浮かべた目で「お可愛いこと・・・」と見下される(https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%8A%E5%8F%AF%E6%84%9B%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8)、②セクハラで告発される、という二択では、完全に、「詰み」です。(ようやくこの連載?のタイトルの元ネタまでたどりつきました。。。)

女神様は告られたい??~携帯電話編その2

そんなわけで、女神様の携帯電話番号を知らないことに気づいた私でしたが、だからといって、

「だから、教えてください!」

と本人に直撃できたら、人生とはどれほど楽でしょうか。

考えてみると、私と女神様の間には、修習期で言うと片手の指では足りないはざ間があります。私が岡山弁護士会に入会した当初、後の某法曹倫理担当教授だったと思いますが、

「修習期が3期違えば、神と奴隷だと思え!」

と言われた記憶があります。ご本人が3期上をそれほどに敬っていたかというと相当に、甚だしく相当に怪しい気はしますが、この世界がそのような価値観で動いていた時代は、確かにあったのでしょう。

しかし、時代は変わりました。いまや、「立場が上」の男が、「立場が下」の女性に対して

「携帯の番号を教えてくれる?」

などと必然性なく言った場合、断ることができるはずがない立場の違いを悪用して女性の個人情報を聞き出したとして、男はたちまち被告人席へと引き立てられかねません。

もうひとつの方法として、女神様がフラレタリアート委員会の委員長を務めていた際、委員会担当業務に関わる会員に対しては、非常時に備えて彼女の携帯電話の番号が公開されていたため、それを登録する・・・という方法も脳裏をかすめましたが、

「いやいや・・・これで電話をかけて彼女が出た時、『なぜ私は登録していない笑六法先生が私の携帯電話番号を知っている?』と疑問を持たれたら、たちまち個人情報の悪用が発覚してしまう・・・!」

と思いとどまりました。公共の利益のために究極のプライベートを公開する彼女の自己犠牲を悪用する恥知らずにはなれません。ちなみに、彼女の自己犠牲に感動していた私が、その後、会内の職務分掌の見直しにより、フラレタリアート委員会とは別の委員会の委員長も同様に携帯電話番号を公開するべきではないかと言う議論になった際、その某委員長がプライバシーを理由に全力で公開を拒否しているのを見て、

「女神様ならともかく、誰がてめえの携帯なんか知りたいか!公開されたら、休みのたびにイタ電してやる!」

と心の中で彼に対する殺意をおぼえたことは、言うまでもありません。結果的に、この問題が、委員長携帯の公開ではなく、委員長が会務専用携帯の貸与を受ける形で解決されたことは、某委員長にとっても、私にとっても幸運なことだったと言えるでしょう。

 

女神様は告られたい??~携帯電話編その1

先日のフラレタリアート委員会では、二次会に女神様の姿がなかったことから不平と不満の声が上がったため、私が彼らを代表して彼女の携帯に電話したところ、彼女が残していた仕事を終えたタイミングと重なって、姿を現してくださるという稀有なイベントがありました。

この時は特に誰からのツッコミもなかったのですが、高校時代に携帯電話なるもの自体がまだ普及しておらず、同世代の爆発するべきリア充どもですら「ポケベルが鳴らなくて 恋が待ちぼうけしてる」のが精一杯だった中で、当然のように同世代の中でも特にアナログな存在だった私には、携帯電話番号の交換という習慣がありませんでした。今回調べてみたところ、私の携帯に電話番号が登録されている同業の女性は、昨年12月に水没した際に失われたものがあったのではないかという希望的観測はあるにしろ、わずか3名分にすぎません。そのうち1人は、当事務所の所属弁護士で、未登録だったらむしろヤバいレベルです。また、1人は訳あって登録替えの際の推薦人に私が名を連ねた方で、これまた携帯番号すら知らないまま推薦していたら、道義的責任を免れません。そんな中で燦然と輝く女神様の存在は、明らかに浮いている気がします。

私がなぜ女神様の携帯電話の番号を知っていたのか。そこにあった大きなドラマを知る者は、たぶん誰もいません。

諸悪の根源は、様々な局面で私に戦いを挑み、そして敗れてきたデスマスク先生が、私に唯一勝てる分野を女性関係だと見定め、何かの際に

「笑六法先生、女神様に電話してもらえませんか???」

と突然聞いてきたことです。

「・・・すいません、私、彼女の携帯知らないんで。。。」

という私の答えを聞き、

「あれー、笑六法先生、女神様の携帯の番号を知らなかったんすかー?いやー、当然知ってると思ってたんですけどねーwww」

と、これ見よがしに女神様に自分の携帯から電話をかけるデスマスク先生。・・・絶対にこの答えを読んでただろ・・・( ゚д゚#)

(続く)