鎌倉殿、逝く…。・゚・(ノД`)・゚・。
第1話から北条一族が巻き込まれるトラブルの元凶となって「全部大泉のせい」という言葉を流行らせ、特に第15話「足固めの儀」以降、毎回続出するOPクレジット級の死者のほとんどに絡んだ感のある大泉頼朝が、ついに実質的に天に昇りました。ちーん。Ω\ζ°)
もともと頼朝の死は、当時の基本資料であるはずの「吾妻鏡」で、死の直前の3年間の記載ごと欠落しており、13年後の記述の中でしれっと「13年前に落馬して死んだ」と記載されている…といういわくつきの謎に包まれていますが、ドラマでは脳梗塞説を基調としつつ(注意深く見ていると、今回の頼朝には、小渕首相が倒れた時に話題になった「脳梗塞の前兆」がいろいろと散りばめられている)、暗殺説にも最大限目配りをした、素晴らしい演出でした。
ちなみに、暗殺説によった場合、チャンスがあったのは頼朝に酒と餅を勧めた時政と、政子に代わって水を持ってきた義時だけ(りくの前では頼朝は飲食をしていない)ですが、時政の場合、酒は頼朝から返杯されたら自分もヤバいこと、餅に毒を盛るなら時連が作った不細工な餅より、美しい畠山餅の方が突き返されるリスクが少ないことから、あまり美しくありません。暗殺したとすれば義時でしょうが、この時代の義時…さらに言うなら北条一族には、頼朝を暗殺する動機がないことは指摘しておきます。頼朝の死→頼家が後を継ぐ→比企がさらに力を持つ、という容易に予想できる流れをわざわざ加速するというのは、頼家の後ろ盾の比企ならともかく、北条にとっては基本的に自殺行為です。…現に、この後収拾がつかなくなって、いろいろたいへんなことになるし。頼朝さん、
「女子好きは我が嫡男の証だ。頼もしいぞ」
なんて言っている場合では、なかったのです。
何はともあれ、ちょうど折り返し点で実質的に退場した頼朝(「実質的に」というのは、今回の終了時点では頼朝は肉体的にはまだ生きており、来週冒頭で本当に亡くなるそうです。第15話「足固めの儀式」以来となる、OPクレジット級死者が出なかったのが今回ということになります)に手を合わせておきます。さんざん「全部大泉のせい」と叩かれた頼朝ですが、実際には頼朝の死後も鎌倉武士の死者が続出する…どころか、今後さらに激化することからも、「全部大泉のせい」でなかったことは明らかなのです。