家に帰ってトイレで用を足していると、家の外からまた野良猫どもの唸り声が聞こえてきました。
「またかよ…」
と思いつつ、一喝してやろうと思って外に出たのですが、そうしてみると…いきなり擁壁から
「フニャニャー!」
と叫びながら転落しつつ、すぐに体勢を立て直してまた駆け上がるキジ猫チキンの姿が。そして、戦闘態勢をとるキジ猫を迎え撃つのは・・・悪猫プー!庭をめぐる野良猫どもの一騎打ちでした。
いつも私の姿を認めると風のように逃亡する、ゆえに名前が「チキン」となったキジ猫チキンですが、この日は私より目の前の悪猫プーの方が重要だったのか、その場でにらみ合いながら数分にわたって動いたり回ったりしていました。
しかし…最後は、キジ猫チキンが静かに去っていきました。悪猫プーの勝利!
思えば、最初は知性も品格も勇気もない極悪猫畜生という設定で登場した(裁かれざる巨悪 – 笑六法 (aozora-law.info))ものの、その後みるみる本性を現し、いつの間にか弱小おろか猫になり果て、片想いの性悪フジミネ子は私に一方的に追放され、さらに自分はキジ猫チキンによって庭から追い出されかけていた悪猫プーが、突然猫としての矜持に目覚めて反撃し、失地を回復するなんて…!
きっと、ジャイアンに戦いを挑み、ついに勝利するのび太を見つめるドラえもんもこんな心境だったのでしょう。これでぼくも安心して未来の世界へ帰れるよ…
これまでキジ猫チキンに押され、数日に一度しか現れなくなっていた悪猫プーは、その後擁壁の上に香箱座りしながら奪還した領地をしばらく味わい、縁側にも現れて私に挨拶をして?去っていきました。これでキジ猫チキンを逆追放し、悪猫プーの天下が来たのか…と感無量に見送ったのですが…数分後には、戻ってきて様子をうかがうキジ猫チキンの姿が。・・・戦いはまだ続くようです。