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年度末を行き交う死刑事件

刑務所から出所した2日後に

「刑務所に戻りたい」

という理由でトラックを暴走させて清掃活動中のボランティア2名をはね、殺害した被告人の1審死刑判決が高裁で破棄され、無期懲役に減刑されたというニュースを見ました。

ネット上では

「裁判員裁判の判決を職業裁判官がひっくり返すなんて!」

と怒っている人々が割といますが、実は名古屋で老夫婦2名を殺して金品を奪った別の被告人の裁判も、1審無期→2審破棄差戻を経て3月2日に改めて判決が出ます。こちらは今回の判決とは逆パターンで、地裁が否定した強盗の意思を高裁が事実誤認として差し戻しているため、死刑判決が濃厚です。もしこの理由で今回の逆転判決に憤るのであれば、3月2日に死刑判決が出た場合、同じ強度で怒らなければ不公平というべきでしょう。差戻審の日程はまだ未定だと思いますが、富山の2警官強盗殺人事件も、名古屋と同パターンです。

これらの判決は、ほぼ死刑となる異時機会での死者2名の事件と異なり、同時機会での死者2名の事件が、事実上現時点で死刑と無期の境界線になっているという量刑相場を物語っています。

今年度に限らず、年度末に大きな事件の判決公判が重なることは、割と知られる法則です。袴田事件の再審請求審も、差戻即時抗告審の結論が3月13日に出るそうです。重大事件ウォッチャーとして、目が離せない季節です。

ちなみに、死刑事件は最近減少していて、21年6月29日に最高裁で上告棄却となった筧千佐子死刑囚以降、約1年8か月にわたって新たな確定死刑囚は誕生していません。しかしながら、現在最高裁では高裁で死刑判決を受けた4人の被告人が係属しており、最古の被告人の高裁判決は2019年12月であることから、次の確定死刑囚はそう遠くなく出るはずです。この4人の被告人が殺意をもって殺したとされる人数は、実に11人。人間の悪意とは、げに恐ろしいものです。

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