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私が駆け抜けた幸せな時代

氷河期世代の受難記事を読むたびに、人生を一歩間違えていればどうなっていたのかという戦慄に襲われる私は、昭和51(1976)年生まれです。

wikipediaによると、日本の就職氷河期とは1993-2005、2010-2013ということになっていますが、諸指標を見る限り、私が大学を卒業した1999年を挟んだ数年間が最悪水準ということに疑問の余地はありません。確かに私が大学生活を送った時期の後半は、「全採用見送り」やら、業績悪化による内定取り消しやらが、まともな教養を有する日本人なら知らぬ者のない一流企業で、続々と起こっていました。そんな時代は、同じ「就職氷河期」と言われる時代でも、全く記憶にありません。

とはいえ、当時から司法試験一本だった私は、一般的な就職活動をすることもなく、いわゆる「卒1合格」で司法修習(第54期)から弁護士業界へと身を投じたわけですが、弁護士の世界では、司法試験合格者の政策的な増加策(の失敗)により、その数年後から「就職氷河期」が顕在化していきます。

さらに、私が4年間という十分なイソ弁生活を送り、一定の貯金と準備のもとに独立した時期は、規模や資本、あるいは特殊な客筋・人脈がなくとも、ただその問題意識と意欲を持つ者に事件が舞い降りるという、弁護士史上にいくつか数えられるいくつかのバブルの中でも空前にしておそらく絶後となるであろう、極めて特異な「過払いバブル」現象の前夜でありました。

就職氷河期に大企業や大手法律事務所で内定を獲得できるコミュニケーション能力などカケラもなかった私(そうした能力の欠如は、超売り手市場だった弁護士登録時、「歴史上、面接して不採用にしたのは笑六法ただ1人」疑惑がある、今はなき某事務所から不採用となった事実からも裏付けられます)が、自分自身の戦略や戦術とは無関係のまま、まったくの「最適解」を駆け抜けることができた結果となりました。学部卒で一般就職を志したり、司法試験で数年足踏みをしたりした同年生まれと比較した場合、実に幸運に恵まれていると言われても仕方のない御身分です。

20年後、後輩であるなんたら教授にいじめられる不運によってこの幸運と釣り合いが取れたとすれば、実に安いものだと思うことにしました。

 

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