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岡山県の消えた「村」

西粟倉村に行ったことがきっかけで、「平成の大合併」の中、消えて行った岡山県の「村」が気になり始めたため、調べてみました。

平成16年9月30日時点で10市56町12村あった岡山県の自治体は、その後の「平成の大合併」を経て、15市10町2村体制へと集約されています。このうち残った「村」は西粟倉村と新庄村ですが、それ以外の阿波村、富村、上齋原村、山手村、清音村、川上村、美甘村、八束村、中和村、東粟倉村は、単なる地名としてはともかく、独立した自治体としては姿を消しています。

阿波村(703)→津山市

富村(851)、上齋原村(948)→鏡野町

山手村(4097)、清音村(5610)→総社市

川上村(2334)、美甘村(1634)、八束村(3103)、中和村(788)→真庭市

東粟倉村(1364)→美作市

※( )内の数字は、wikipediaによる消滅当時の人口

・・・なんでお前らが「村」を名乗っていたのか、とツッコみたくなるようなところもあるにしろ、果たして彼らが西粟倉村民、新庄村民と比較して充実したサービスを受けられているのかどうかは、検証されてしかるべきだと思うのです。

ちなみに、私が地域コミュニティの充実度の基準としている公立小中学校については、独立を選んだ西粟倉村と新庄村が小中各1を維持している一方、合併を選んだ10村はというと、

阿波村 阿波小(閉校)、組合立加茂中(維持)

富村 富小(維持)、富中(閉校)

上齋原村 上斎原小(維持) 上斎原中(閉校)

山手村 山手小(維持)、組合立総社東中(維持)

清音村 清音小(維持)、組合立総社西中(維持)

川上村 組合立川上小(維持)、組合立蒜山中(維持)

美甘村 美甘小(維持)、美甘中(閉校)

八束村 組合立八束小(維持) 組合立蒜山中(維持)

中和村 中和小(維持)、中和中(閉校)

東粟倉村 東粟倉小(維持)、組合立大原中(維持)

「平成の大合併」後、約15年が経過した今、小中学校とも当時の状況を維持できているのは半数の5村にすぎず、そのうち4村は人口が多かった「村」ベスト4と一致します。もともと独立・自前の小中を維持していた小規模4村に至っては、すべてが中学校、さらにうち1村は小学校を失う結果となっています。当時の状況を維持できているのは、むしろ合併以前から近隣市町村との「事務組合立」という形に移行していた村が目立つというのも、残酷な現実です。

もっとも、これらで残っている小中学校、あるいは西粟倉&新庄村の小中学校を見ても、小規模校の宿命である生徒数の少なさはどうにもなっていません。地元の学校の統廃合案が出てくると、地元の多くが反対する中、たいてい賛成に回るのは生徒たちの親たちで、

「1学年1学級(下手すると複式学級)では人間関係の発展性がゼロ」

「成績が村で1番でも、村を一歩出ると『ただの人』。まともに競争できる環境でないと受験では生き残れない」

「部活をしようにも、野球の9人、サッカーの11人すら揃わない」

と言われて最終的に統廃合を受け入れる・・・というのが黄金パターンです。既に住んでいる子育て世代からすれば完全に正しいこの意見が、将来の子育て世代の移住検討時には「小中学校段階でバス通学必至」という致命的欠陥に化けることも、また別のお話・・・

これらの問題は、本来自治体の合併の有無に関わらず、「村」が直面せざるを得ない問題ではあるのですが、合併によって「統廃合」という選択肢が生まれた時点で、実は決まりきった結論だったりします。マクロ視点からすれば、「合併によって効率が良くなる」というのは真理です。もしA村の収入が50億、B村の収入が50億、(A+B)町の収入が100億という点を所与の現実とすれば、両自治体の合併によって浮いた金を他の部門に回すことができるため、村民生活は豊かになります。実際には今50億円ずつで運営しているA村とB村を、90億円で運営できるようにするというのが「平成の大合併」の真実だったとすれば、村民生活が切り下げられるのも当然の真理でしょう。

そうした意味で、「平成の大合併」の結果がどうなっているのかについては、個人的には知りたいテーマだったりします。岡山に限って言うならば、「平成の大合併」で非合併を貫いた西粟倉村と新庄村は、どうも「単独でもやっていけるという地力と覚悟があったから」という気配が強いです。特定地域だけだとどうしても「単独でやっていける自治体だけを抜き出して調査している」と言われてしまうため、本来であれば、すべての合併自治体について調査をするべきなのではないと思っているのですが。

・・・というわけで、本日の結論は、「地力と覚悟を持った真実の村、西粟倉村(と新庄村)に、 光 あ れ !」でした。

 

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