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ガンダム世界における男女平等(後編-2)

ウッソに対してこんなにひどいことを一方的にしながら仕留め損ねたカテジナさんは、その後

「クロノクル、来い!」

と帝政国家でおそらくかなり高位の王位継承権も持つと思われる王弟を犬のように呼びつけ、ウッソとのラストバトルに追い込む一方、自らはその帰趨を見ながら、誰かが聞いているわけでもない独白=本音の部分で

「この戦いはねえ。2人の男が私を賭けて戦っているんだ。だから邪魔はさせないんだよ」

「戦え、クロノクル、ウッソ。私の手の中で戦いなさい。勝った者は、私が全身全霊を賭けて愛してあげるよ。ハハ、アハハハ、アハハハハハハハハハハハハハ」

なんて高笑いしているんだから、もう救いようがありません。

しかも、そのバトルでクロノクルを仕留めたウッソに対し、

「あなたの手で殺して」

なんて言いながら接近したと思いきや、彼女をたしなめようとする生身のウッソの脇腹に刃物をぶすり。。。ウッソはカテジナさんの独白を知らないわけですが、テレビの前の視聴者は

「全身全霊を賭けて愛してくれんじゃなかったんかい!?」

と総ツッコミだったであろうことは、他人事ながら保証してもいいくらいです。

何はともあれ、ガンダムシリーズの宇宙世紀ものにおいては、女性たちが差別されることなく50%の割合(4作品中2作品)でラスボスを務めています。しかも、その2人は、政治的に役目を果たす系統で今なお人気の女傑もいれば、最悪最凶の裏切り系悪女もいたりで、決してステレオタイプではありません。

「キャラの魅力(?)さえあれば、女性キャラだってラスボスにできる!」

そんな固定観念から自由だった富野監督によって創出されたこれらの世界は、果たして女性たちに役割を与えられるのは敵にさらわれて主人公に救出されるお姫様だけ・・・というようなアニメ世界と比較して、果たして幸せな世界だったのか?と思うと、大いなる疑問が残ります。「男女平等」のメリットについて、「女性の視点によって平和で弱者に優しい世界になる」などという主張がなされることがありますが、ハマーン様やカテジナさんが平和的で弱者に優しいかというと、明らかに大草原栽培レベルです。

男女平等が高度に推進された社会とは、ガンダムが必要ない世界ではなく、ハマーン様やカテジナさんのように少数にとどまっているガンダム世界のラスボスが、少なくとも半数、女性によって占められる世界なのではないか。それを思うと、富野監督が20世紀に完成させていたこれらの世界は、21世紀の我々がこれから見る社会を先取りしていたのではないかという、慄然たる思いにとらわれます。女性による独裁体制や、女性僭主による政治体制が国民や社会に幸福をもたらすことはないのです。

大切なのは、女性を平等に登用するという結果ではなく、女性が平等に登用されうる過程の確立であり、その正当性のみが国民と社会の全体利益を担保するのだということを、いわゆる儲からは低く評価されがちな「ZZ」「V」から学ぶことができるというのが、ガンダムシリーズの魅力です。

ガンダムシリーズのそこそこのファンである笑六法は、ガンダムシリーズと富野監督を応援しています。

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