「東京ミネルヴァ法律事務所が破産」というニュースを見ました。事務所の名前を聞いた際には、刑事で超高名な先生の事務所名がそんな感じだったと記憶していたため、その先生の事務所のことかと思ってぶったまげたのですが、本気で調べてみたところ、その先生が所属していたのは「ミネルバ法律事務所」で、そもそも今回の事務所ではなく、さらに現在はその事務所からも離れていらっしゃったため、完全に無関係でした。
ミネルバ(ヴァ)というと、知恵などをつかさどるローマの女神様の名前(フクロウとよくいっしょにいます)なので、事務所名になってもおかしくない単語です。そこで、日弁連の弁護士検索を使って事務所名「ミネル」で検索してみると、東京の「ミネルバ」、今回破産開始決定が出た「弁護士法人東京ミネルヴァ」、大阪の「ミネルヴァ」各法律事務所が現存していました。名前が名前だけに風評被害を受けたりすることもあるのでしょうか。全国に存在する「あおぞら」(「青空」)法律事務所のどこかが騒動を起こさないことを心底から願っています。
それにしても、「東京ミネルヴァ」のピーク時に弁護士が何人所属していたのかは不明ですが、設立からわずか8年で負債額51億円というのは、我々の感覚ではありえない数字です。少し前に倒産したレナウンの負債総額が約138億円でしたからね。。。「仕入れ」という概念がほとんどない我々の業界では、「売上の前に必要になる経費」が基本的に固定費であるという特徴があるため、負債は大きくなりにくい一方、固定費の支出が売り上げを上回ることが常態になった場合の挽回も難しかったりするのですが、1年前には年商18億円という報道もあるこの事務所が、どうやったらこのスピードで肥大化し、巨額の負債を抱えることになったのかを考えると、暗然たる気分となります。。。
過払い金で名を成した事務所のようですが、負債の中に含まれているはずである、消費者金融から返還後、依頼者と清算前の預り金がどの程度含まれているのか、そしてその預り金は保全されているのかどうか(「あるべき管理」がなされているのであれば、100%保全されている『はず』ではあるのですが・・・)、続報を待ちたいと思います。