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私が選挙を嫌いな理由②

案の定、私の生徒会長選挙は、さんざんな結果に終わりました。私を除く生徒委員の多くは、以前から生徒委員を務めていた人たちです。新参者でも自ら立候補した人なら覚悟も情熱もあるでしょう。しかし、前記の経過で突然生徒委員になってしまった私にそのようなものがあるはずもなく、演説ではなんの能力も魅力もない実態をさらけ出してしまい、恥をかいただけに終わりました。

とはいえ、その後の半年の生徒会活動は、全く予想外なことに、かなり楽しいものとなりました。

その期の執行部の最大の懸案だった校則改正の大詰めの議論では、急進改革派と漸進改革派の対立があり、どっちに転ぶか分からない状況でした。
その微妙な勢力図の中で、新たに入れ替わった生徒委員がどっちに転ぶかは、本人たちの自覚をよそに、かなり重要な状況だったようです。そんな微妙な政治情勢の中、執行部内では、再三にわたってこのような状況が再現されることとなりました。
会長「この問題は、〇〇〇の方向で進めるべきです」
S副会長「そこは●●●の方がいいと思います」
その他「他の人の意見も聞いてみましょう」
私「●●●という意見に賛成です。S副会長の意見だけでなく、~な理由もあります」

私の意見は、S副会長と意見が一致することが多かった・・・というより、男子どもの間で人気が高い美人の優等生だったS副会長の意見を徹頭徹尾支持したのが私だったのです。下心という要素も、多分にあったことは否定しませんが、生徒委員になるまでは、別クラスだったS副会長の存在すら認知していなかった私が、生徒会という生存範囲が重なった後は、執行部での議論での立ち位置を、彼女のわんこ意見の賛同者となるまでの時間は極めて短かったはずです。

もっとも、中学2年生というと、ええかっこをしたいという気持ちも強い時期です。内心はどうあれ、
「S副会長が好きだからS副会長の意見に賛成します!」
等とは言えるはずもありません。そこで、私はS副会長の意見に賛成する理由としてもっともらしい理由を探してきてから、賛成するのが通例でした。動機はよこしまでも、意見自体は正論を貫くよう心掛ける厨弐魂です。

視点をS副会長に移した場合、議論の場でそういう存在がいるというのは非常に便利なことで、彼女の意見が通ることも増えたようです。S副会長の私に対する覚えもめでたくなったのか、私の気持ちを知ってのことかどうかは知りませんが、後期の後半は彼女の方から話しかけてくれることも増え、年度末にはこんなお言葉も賜りました。
「笑六法君、来年は生徒委員どうするの?」
「来年?分かんないよ。なれるかどうかも分かんないし」
「でも立候補はするんでしょう?頑張ってほしいな❤」

・・・あれ?もしかして・・・頼られてる?
主観的には、私が一番フラレタリアート階級から遠ざかった瞬間だったかもしれません。ていうか、この当時の私はまだ自分に絶望しておらず、夢を見ることも忘れていなかった、幸せな時代のことです。

そして、4月に発表された3年生のクラス分け。直前の生徒委員は各クラス男女各1名ずつ割り振られる慣例の中、自分が3年B組に振り分けられたことを確認した私は、他の男子には目もくれず、このクラスの女子の前年度生徒委員を探しました。

キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
5分の1の幸運に恵まれ、私はS副会長と同じクラスでした。

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