しかし、世の中そんなに甘くないわけで、3年のクラス委員選挙では、またしても予想外の事態が発生しました。今でいうならイケメン、かつ某運動部の主力選手で女子から人気もあったけれど、生徒会活動にはそれまで全く関与せず、関心も示していなかったM君が、突然生徒委員への立候補を表明したのです。
選挙結果は、案の定、私の敗北に終わりました。私陣営の友人の分析では、
「女子票は最初からM君だが、男子票は『Sさんを笑六法、M君のどちらかと組ませるなら、どちらがより安牌か』理論でお前が取れるだろう。だが、M君と同じ部をはじめとした彼の仲良しグループの男子票はあっちに流れるのが確実なのに、それ以上の女子票がお前に流れる事態は想定しがたい」
ということで、彼が立候補した時点で、勝ち目のない戦いだったようで、むしろさほど差がつかなかった現実の票差は、「笑六法の大健闘」というべきものだったそうです。
私の失脚について、生徒委員、生徒会執行部の地位を私利私欲で行使した悪徳政治家の自業自得・・・という声も理由のないことではありません。ただ、私が生徒会でしてきた主張自体はそうおかしなものでなく、まっとうな意味での貢献もそれなり以上にあったという自負はあっただけに、生徒会活動実績ゼロの新人に敗れた失意は深いものでした。やりたくもない生徒委員を数の暴力で押しつけられた上、その苦境の中に一瞬夢を見るようになったと思ったら、民主主義の名のもとにその夢を一方的に剥奪されるなど、あまりにもひどい話ではありませんか。どうせ奪われるのなら、最初から与えてもらいたくなかったです。
結局、私の3年時は、「交通委員」という、見るからに閑職のポストで前後期とも終わりました。せっかく同じクラスとなれたS副会長との関係が深まることはもちろんなく、むしろ後の「フラレタリアート絶望派」としての未来を決定づけられることとなります。
この経験により、私は「2度と選挙される身分にはならない」と心に固く誓いました。弁護士会の常議員、副会長は総会での選挙が必要ですが、無投票と分かっていたからこそ立候補したようなものでした。人にはそれぞれ、人生を変える悲しい過去があるものなのです。
[…] 私が選挙を嫌いな理由③ – 笑六法 (aozora-law.info) […]