「麒麟がくる」で一貫して良妻として描かれてきた明智煕子が、戦場での負傷と心労と過労で倒れた光秀の看病とお百度参りで自分の体調を崩した挙句、
「私は、麒麟を呼ぶ者が、十兵衛様、貴方であったなら・・・ずっとそう思っておりました」
と言い遺して亡くなってしまいました。。。最愛の人の、罪のないはずだった遺言が呪いとなって生者を縛る…私の好きな物語パターンです。というわけで、信長を討ってしまった後になって、光秀が
「 なんてことだ。私は煕子の遺言を・・・
煕子は天下を正常なものになおしたかった。
なのに、私は何をしていたんだ。
一体何を、私のこの●年はなんだったんだ。
あれは一体なんだ、今さらそれはないじゃないですか、煕子。
なぜ一言でいい、ちゃんと言い残してくれなかったのですか。
こんな恐ろしいものを私に渡しておいて、どうしろって言うんだよ!
煕子、答えてよ煕子! 」
と慟哭する姿を幻視してしまいました。
実際には、作者は主要登場人物の死の瞬間を描きたがらないことで有名な方なので、光秀の最期どころか、
「敵は本能寺にあり!」
と叫び、本能寺に向かうところで終わるのではないかと心配になり、現実逃避に走る笑六法なのでした。