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秋葉原通り魔大量殺傷事件の死刑執行

昨年12月以来の死刑執行は、秋葉原通り魔大量殺傷事件の加藤智大死刑囚でした。

日弁連は、相変わらずほぼ予定稿通りの無個性な会長声明を即日公表しています。加藤死刑囚とはなんら面識もなかった19歳から74歳までの7人が亡くなって、10名が傷害を負い、事件以外のところでも、あまりの衝撃の大きさゆえに、秋葉原名物の歩行者天国が2年以上にわたって中止されたというこの事件の特筆するべき特徴は、声明からは一切読み取れません。これだけの事件であれば、事件内容にもなんらかの言及をしてもいいと思いますが・・・。重い犯罪による理不尽で重い結果を正面から受け止めたうえで、さらにそれを乗り越える何かを打ち出すのでなければ、現状大多数が死刑制度を支持している一般国民が死刑廃止運動についてきてくれるはずもないのですが、そもそも声明自体、一般国民に訴えかけることなど目的としていないから、きっとそれでいいのです。・・・あれれ、日弁連は、誰に対して、何のために、死刑執行のたびに反対の会長声明をいちいち発出しているのだろう。。。

まあ、まったく現実ベースになる気配のない廃止論なんざ置いておいた上での死刑制度の現在地として、大物死刑囚の執行となると、時勢と絡めて「~の陰謀だ!」と騒ぐ人々が現れるのは世の常です。実際今回も「『無敵の人』に対する見せしめだ!」「カルト宗教から目をそらすための陰謀だ!」という声がネットでは飛び交っています。・・・確かに加藤死刑囚は108人の死刑囚(釈放中の袴田巌死刑囚も含む)のうち86番目の確定なので、これだけ見れば不可解・・・に見えなくもないのですが、昨年12月に執行された藤城康孝死刑囚(2015.5.25上告棄却)は、加藤死刑囚(2015.2.2上告棄却)の次に確定した死刑囚だという点を意識すれば、まったく別の答えが見えてきます。藤城死刑囚を執行できるのであれば、加藤死刑囚を執行できない理由はありません。以前も、神戸児童連続殺傷事件で犯人「酒鬼薔薇聖斗」が14歳だったという衝撃冷めやらぬ時期に「永山基準」で有名な元少年・永山則夫死刑囚の死刑が執行されたために同様の言論が流布したものの、実際には直前の被執行者からみて、再審請求者を飛ばせば「次」だった・・・ということがありましたが、それと同様の状況です。藤城死刑囚と加藤死刑囚の順番が入れ替わった理由は謎ですが、加藤死刑囚の執行自体が「早められた」と言える状況はないということを指摘しておきます。

二十数年来の死刑ウォッチャーとしては、加藤元死刑囚が108人中86番手だったにも関わらず、「確定からおよそ7年半」という状況にも目が留まります。加藤元死刑囚以降に確定した死刑囚で存命なのは、22人ということです。ちなみに、戦後日本の死刑執行を受けた死刑囚の中で、確定後最も長期間勾留されたの19年5ヶ月を超える期間勾留されている死刑囚も22人なので、勾留期間が7年6月~19年5月の間の存命死刑囚が、64人ということになります。

法務省の思惑として、死刑囚の総数が増えすぎる事態を避けようとする・・・という原理は以前から指摘されています。また、19年6月超の死刑囚は執行できない何らかの理由がある可能性が高いと思われますが、そうした死刑囚が急増することは、法務省目線で見れば、悪夢に外ならないことでしょう。今回の執行(1人)ペースで終わりだとすれば、今後、古参死刑囚の勾留期間が新たに19年6月以上に突入していくことになるため、内閣改造後の新法相による死刑執行が、年末から年度末にかけて、 さらにあるのではないかと予測しています。

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