弁護士以前に刑事事件オタクである私は、全国のどこかで死刑が求刑されたというニュースが流れた際、裁判所と被告人名を聞けば、だいたい
「ああ、あの事件か…」
と記憶の片隅にとどめているのですが、そんな私が「死刑求刑」のニュースの際に全くのノーマークでびっくりした事件について、本日、死刑判決が言い渡されました。純粋な共謀共同正犯での死刑判決というと、麻原彰晃こと松本智津夫以来では?
本件は控訴・上告必至でしょうから局面はまだ異なりますが、死者1名での死刑確定者については、以前に考察しています。
1殺死刑の境界線・前編 – 笑六法 (aozora-law.info)
1殺死刑の境界線・後編 – 笑六法 (aozora-law.info)
本件の死者は1名ですが、異時機会の殺人未遂が3件もあり、さらにその内容も、暴力団による一般的な事案である抗争の巻き添えではなく、目障りな非暴力団員を最初から標的とした襲撃ということで 、極めて悪質とされたのでしょう。
ただ、これまでに報じられてきたところでは、共謀の直接証拠はなく、間接証拠も「それで共謀の立証につながるの?」というものばかりだったので、この判決がどんな局面をどんな証拠に基づいて「共謀成立」としたのかはとても気になります。
「〇〇はもう殺してもいいやつだ」
みたいな分かりやすい共謀はないでしょうから。。。上意下達の株式会社のワンマン社長体制下での、従業員=実行者個人には利益の無い犯罪に応用できるような理論だったらそれはそれで怖い。。。
・・・なんてことを思っていましたが、この被告人、言い渡し後に裁判長に対して
「生涯、このことを後悔するよ」
と言い放ったとのことで、((((((; ゚Д゚)))))))が止まらなくなりました。組員らしき傍聴人もいたとのことですが、これってどういう意味…?「共謀罪」の適用第1号になったら総本山はどうするんだろう。