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裁かれざる巨悪

実は、GW中にひどい目に遭いました。

車で出かけようとしたところ、車の下に、黒い影が。…最近、うちに時々勝手に出入りしており、先日は庭を荒らして私に恥をかかせた悪い黒猫です。

ウラミハラサデオクベキカ。 – 笑六法 (aozora-law.info)

とはいえ、日々繰り返される同世代の悪徳弁護士どもによるいじめと攻撃に対して心に刃を乗せて耐えることに慣れている私は、たかが獣の悪戯に対していちいち目くじらを立てるほど、心が狭くありません。

ただ、このまま車を発進させたところ、逃げると思ったのに逃げなかった黒猫の

「フギャアアァァァァッ!?」

という断末魔の絶叫が、車輪の下から・・・

なんてことになったら、寝覚めがとてもよくありません。そこで、円満に御退去いただこうと思い、まずは足で黒猫に向けて追い払うポーズをとってみました。

へんじがない。ただのしかばねのようだ。

いや、逃げろよ。このままでは車が出せないではないか。

・・・そこで私は、もっと強く足で石を蹴り込むとか、棒状のもの(ほうきとか)を車の下に突っ込むとかもできたのです。しかし、相手が悪い黒猫とはいえ、私はついついその尊厳を慮ってしまい、体勢をさらに低くして、黒猫を覗きながら、より大きなポーズで右手を内から外へと払いました。

すると、それとほぼ同時に黒猫は、なぜか私の右側に突進してきました。そして、私の払った右手に勝手に衝突し・・・

「フギャアアァァァァッ!?」

・・・庭に私の断末魔の絶叫が響き渡ることに。そして、私の右の手のひらには、奴の牙の痕が・・・

私は車の右側から黒猫を追い払おうとしていたわけで、車の前も、左も、後ろも、何も障害物はなく、ガラ空きでした。私を敵と認識したならしたで、敵がいない方に逃げるならともかく、なんで敵がいる方から逃走しようとするのでしょうか?(奴は正面から勇敢に立ち向かってきたわけではありません。私の右サイドから逃走を図ったのです)

「敵の黒猫は兵法を知らんのか?!」

とどこかで聞いたようなセリフを言えば、むしろ私の方がバ×っぽく見えます。黒猫を討つべく待ち伏せていた私の意表を突いて損害を与えたのであれば、確かに私の方が愚かでむしろ黒猫あっぱれなのですが、流血を避けて平和的に黒猫に逃げていただこうとした私の意表を衝いて損害を与え、怒らせるなんて、私はもちろん、奴にも戦略的に何のメリットもありません。

てめーは俺を怒らせた。

猫にかまれたり引っかかれたりすると非常に化膿しやすいところ、すぐに洗ったので大事には至らなかったのですが、そんなことで私の怒りと恨みが消えるはずもありません。

私有地を不法占拠する黒猫に対し、その安全と尊厳を尊重し、自主的に退去していただくべく極力平和的に追い払おうとした私に対し、牙をもって報いるとは。下劣な人間は「犬畜生」と言われますが、柴犬はそんなことをしません。この言葉は今後「猫畜生」と改められるべきです。

奴に裁きを受けさせたいのですが、知性を欠いた畜生に刑法の適用はありません。また、首輪はたぶんしていなかったので、飼い猫ではなく、野良猫なのでしょう。ということは、賠償責任も誰も負ってはくれません。なんだ、この野放し凶器は。

私が事務所で怒っていたら、猫派の事務員から

「…(黒猫を)網持って追っかけたりしないでくださいね?」

と言われました。え?網で捕まるものなの?それはそれで、ちょっと楽しそうかも。(←多分ムリ)

ただ、「誰かさん引き渡し請求訴訟」事件で明らかになった私の知性の欠如弱点は、ここで繰り返されました。そう、捕まえた後にどうすればいいのかというプランがないのです。 私が悪猫に自ら裁きを下した場合、「動物愛護法」とかなんとかに触れるリスクを否定できません。奴は私を傷つけてもフリーパスなのに、私は奴を傷つけてはいけないというこの理不尽。現代日本は生類憐みの令なのか。人間に何をやっても責任を取らず、しかも責任を取らせたらこちらが処罰って、どこの上級国民なのか。

ちなみに、弁護士数人に対してさんざん悪猫の文句を言ったうえで

「そうだ!奴のひげを切ってやろう!」

と思いついたところ、その場にいた愛猫家で、なぜか猫にはモテモテであることに定評がある絶望先生から

「猫のひげには痛覚があるんです!そんなひどいことはやめてください!」

と叱られてしまいました。…そうなの?と思って調べてみたら、その通りの模様。ぐぬぬ。。。

その後、奴が徘徊していないかと、庭に注意を払うようにはなったのですが、幸い姿を見かけてはいません。もう二度と現れるんじゃねえ。もしまた車の下にいたら、今度こそ石を蹴り込むか、ほうきを突っ込んで雑に追い出します。

それにしても、現代日本に確かに存在する、裁かれざる巨悪の存在に気づいてしまった鬱なGWでした。

4 Responses for 裁かれざる巨悪

  1. […] 私と最悪の出会いを果たしたころ(裁かれざる巨悪 – 笑六法 (aozora-law.info))と比べると、ずいぶん弱っちくなったものだと寂しさを感じたのですが、そこで理由に思い当たってしまいました。 […]

  2. […] ちなみに、今日、11月17日は、イタリアで「黒猫の日」と定められているそうです。「猫の日」ではなく、「黒猫の日」です。白猫の日や三毛猫の日はないのか、とか、8月17日はアメリカの黒猫感謝の日で10月27日は英国の黒猫感謝の日なのに、いくらなんでも黒猫だけ不当に優遇されすぎだとか余計なことを考えてしまうのですが、イタリアの黒猫の日は、どうやら過去に「悪魔の使い」として不当に虐殺されてきた黒猫を悼むために制定された、という洒落にならない由来がある模様です。日本でも「多い!」という印象はない(だからこそ私の周囲に多いと呪われている感が出る)黒猫ですが、欧米、特に欧州では過去に先祖が虐殺されたため、比率が日本より有意にかなり少ないのだとか。これはさすがに哀れだ。。。私は私にかみついた極悪残虐個体(裁かれざる巨悪 – 笑六法 (aozora-law.info) )を含むであろう庭の黒猫どもとも、虐殺するわけでもなく、せいぜい美味しいチョコレートをあげることを夢見る程度で共存しているのに、文化のかけらもありません。 […]

  3. […] 思えば、最初は知性も品格も勇気もない極悪猫畜生という設定で登場した(裁かれざる巨悪 – 笑六法 (aozora-law.info))ものの、その後みるみる本性を現し、いつの間にか弱小おろか猫になり果て、片想いの性悪フジミネ子は私に一方的に追放され、さらに自分はキジ猫チキンによって庭から追い出されかけていた悪猫プーが、突然猫としての矜持に目覚めて反撃し、失地を回復するなんて…! […]

  4. […] 裁かれざる巨悪 – 笑六法 (aozora-law.info) […]

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